学習の進め方2
教科書のレベル
前回の「学習の進め方1」は、初めて耳にする人には、度肝を抜かれる方法だったと思います。しかし、過去問から入る学習方法は、決して珍しくありません。受験勉強だけでなく資格試験などでも、昔から取り入れられている方法です。 さて、今回から基礎重視の正攻法で話を進めます。 前述したように、扱う教科書は、学校によってレベルも内容も全く異なります。例えば、地方の進学校で使用する有名な数研出版だけでも、数学Ⅰの教科書は5種類(5段階)あります。これらすべてに精通しているわけでもありませんので、「準備する教材」でご紹介した参考書を例にとってご説明します。今回は「チャート式 基礎と演習 数学(通称:白チャート)」を元に具体的に述べます。 他の教材の方でも応用できるやり方ですので、どうか最後まで読んで下さい。なお、教科書でつまずいている方は、「高校 これでわかる数学」から始めた方が無難です。しかし、つまずいた教科書のレベルにもよりますので、アマゾンのレビューを必ず読んで、自己責任で購入して下さい。例題学習
参考書には、必ず入試の核となる例題があります。受験で勝つためには、この核となる例題をいかに効率よくマスターするかにかかっている、と言っても過言ではありません。 ここでは、各章や各節のトップにある基本事項は、ある程度理解している前提で話を進めます。 【例題学習の最重要事項:必ず覚えて下さい!!】 ①例題の問題が、すべての基本です。この問題を最優先させて下さい。1回目の学習で、10問中3問完全正解し、5~6問理解できたら、大成功です。また、できるだけ早く切りの良い単元ごとに、一通りの学習を終了させましょう。一通り終了させることで全体像が見え、その後の学習の展開が楽になります。1回目は、その単元の「予習」程度の感覚で学習しましょう。 ②2回目は、1回目の例題演習で、すらすら解けなかった問題と答えを見てしまった問題、解けたが時間がかかった問題を復習します。例題の下にある練習問題や類題は、後回しにします。 ③3回目は、2回目の例題の復習を行います。以下、4回目以降も同様に反復します。このやり方ですと、繰り返すたびに解く問題(例題)の数が減っていきます。 ④ある程度反復し、8~9割の例題が解けるようになった時に、もし時間があれば練習問題や類題も解きましょう。個人によって、能力や反復回数、学習時間には大きな違いがあります。友人が練習問題を解いているから自分も解くという方法は、とても危険です。とにかく、例題を100%解けるようにすることです。例題が入試数学の基礎ですので、あせらずに確実に習得して下さい。理想は、6~8回の学習でマスターすることです。なお、章末問題などは、必ずしも解ける必要はありません。こちらも余裕がある時に、取り組んで下さい。 それでは、より具体的に話を進めていきます。 白チャートの例題には、基礎、発展、補充の3種類があります。基礎はレベル1~3、発展と補充はレベル4~5ですので、ひとまず基礎レベルの例題に絞りましょう。 教え子たちに例題学習を勧めると、ほぼ例外なく無計画になんとなく例題を解いていきます。しかし、これでは効率的な学習方法としては失格です。 以下、1問ごとの取り組み方の説明です。 ①例題の下にある解答や解説、指針などヒントになる情報をすべて下敷きなどで隠して、問題をノートに解く。 ②問題を解き終わったら、丁寧に解答や解説などを読み、丸付けをする。 ※このあとに、⑥を先に行っても構いません。 ③できる限り自力で理解し、解答を覚える。どうしても理解できない問題は、解法だけ丸暗記しておく。(演習を繰り返しているうちに、ある日突然わかるようになります。)もし丸暗記ができない場合、⑥のように要点を箇条書きでまとめ、それを理解し覚える。 ④その直後に、同じ問題を何も見ないで、もう一度猛烈に速いスピードで解く。 ⑤解答・解説を確認する。 ⑥問題の隣(あるいは自作の表)に問題番号、今日の日付、評価、感想、あるいは解き方の要点などを書く。 評価例(7:瞬殺、6:即答・完璧、5:完璧、4:少考の末、完全正解、3:ミスで減点、2:半分程度正解、1:25%程度のアプローチのみ、0:不正解) 評価例は、5~7段階でも、あるいは10段階でもいいです。要は、2回目以降の演習の時に効率よく復習するための印です。印は、人類の知恵です。この知恵を上手に使えない人は、伸び悩んだり時間の無駄が多かったりします。 よくテキスト等に印を付けることを拒む人がいますが、私には理解できません。中古で売るにしても、1冊100円程度にしかなりません。第1志望の大学に合格できるのであれば、テキストを思う存分汚しても問題ないと思うのですが、・・・。皆さんの予想通り、こういうタイプは結果が芳しくありません。 この学習方法の1番のポイントは、「④」、です。超有名な数学の予備校講師も勧めている方法です。私もこれを早期にやれば、また違った人生になったはずです。 この「④」をやるかやらないかで、学習効果が全く異なります。学習は、面倒な方法が1番学習効果が高いです。ですから、必ずやって下さい。一見遠回りのようですが、実は最短距離の学習方法です。 以上のことを教科書と傍用問題集の2冊で行っても構いませんが、教科書ガイド等がないと自学自習できない人には、この2冊は不向きかもしれません。計算力を補ったり、定期テスト前に演習したりする時に使用した方が、適切な人も多いです。 これで第2段階、「学習の進め方2」は終わります。引き続き下の学習の進め方3へ進んで下さい。